日々思う事 運転手

実態調査から見るトラック輸送の実態とトラックドライバーが考える未来

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長距離トラックドライバーという職業は今後深刻な人材不足に陥ることは、多くの人が知っている

しかし、実際に働いているトラックドライバー自体は、この事についてあまり深く考えていないし

目先のことに必死な感じがする。

公益社団法人 全日本トラック協会が、現状のトラック輸送に関する、労働人口や労働環境について

「トラック輸送状況の実態調査」の結果が公開されていたので、

それを元に、現役長距離トラックドライバーであるオレが実際の現場から目線で考察して見る。

 

現在のトラック輸送の実態について

まず、全日本トラック協会が行った「トラック輸送状況の実態調査」の結果概要について

調査対象期間が、平成27年9月14日(月)~20日(日)の7日間

有効回答者数が、1,252事業者、5,029ドライバー(うち女性62名)

とのことです。

引用元の全日本トラック協会が公開している「トラック輸送状況の実態調査」はこちら

 

ドライバーの属性について

・車種

大型:57.7% 、中型:24.2% 、トレーラ:10.7% 、普通:7.5%

 

・年齢構成

40代:39.6% 、50代:30.1% 、30代:17.6% 、60歳以上:8.4%

 

・1運行の走行距離

短・中距離運行:85.1%を占め、平均は297km

 

拘束時間等について

・1運行の拘束時間

13時間を超える運行が全体の36.6%

16時間を超える運行が全体の13.0%。

 

・平均拘束時間

短・中距離運行の平均拘束時間が11時間台

長距離運行(500km以上)の平均拘束時間は16時間超

 

・休息時間等

休息期間8時間未満の運行が全体の15.8%

「休日がなかった」ドライバーが全体の9.8%

連続運転時間4時間超の運行が全体の10.7%

 

ドライバーの手待ち時間

・「手待ち時間がある運行」は全体の46%

手待ち時間

平均:1時間45分 、1時間超が55.1% 、2時間超が28.7% 、3時間超が15.1%

・手待ちは、発・着荷主において、頻度・時間とも同程度生じている。

・時間指定がある場合でも、ない場合と同程度生じている。

 

荷役の状況

・荷役作業の発生割合及び平均時間

発荷主で40.8%・51分、着荷主で59.2%・42分。

 

荷役に関して書面化しているものが58.2%ある一方、事前連絡なく現場で荷役を依頼されたものが9.5%

 

荷役料金の収受について、書面化しているもので71.2%、事前に口頭で依頼のあったもので54.0%

 

事業者に対する調査

・保有台数

「21~50台」が41.4%で最も多く、

「51~100台」が21.5%、

「11~20台」が19.5%で

平均は57.8台。

 

ドライバーは全体の7割弱で不足しており、保有車両台数が多い事業者ほど不足感が強い。

不足の場合の対応としては、「下請・傭車で対応」が最も多い一方、

「対応できず輸送を断っている」ケースも約半数ある。

 

実態調査を見て現役長距離トラックドライバーとして感じること

 

労働人口の年齢分布からみる将来的不安

実態調査の結果が

40代:39.6% 、50代:30.1% 、30代:17.6% 、60歳以上:8.4%

ということから、20代以下が4.3%と言うことが読み取れる。

 

このままの状態で10年後を考えると、単純計算で

50代が39.6%、60代が30.1%、40代が17.6%、30代以下が4.3%になる(70代以上の8.4%は引退とする)

バリバリと働ける40代以下が21.9%で、ピークを超えた50代以上が69.7%になる計算だ。

 

つまり、全体の過半数以上(6〜7割)が、ピークを超えた50代と高齢者である60代となり

トラックドライバーの3人に1人が60代のおじいちゃんと言うことだ。

考えただけでもゾッとするよね。

そもそも、60代になってもトラックドライバーを続けるのかも疑問だけど。

 

労働年齢の割合から見ても、トラックドライバーと言う職業の未来は非常に暗く、厳しいのがわかる。

 

拘束時間等のデータと実際のトラックドライバーの感覚

長距離運行(500km以上)の平均拘束時間は16時間超

しかし、これをリアルに言うと、仕事として動いてる時間が16時間超であり

トラックの中で寝泊りをしている我々長距離トラックドライバーは

大げさに言えば、実質24時間労働である。

 

休息だ休憩だと言ったところで、トラックの中で寝るかスマホを弄るかだ。

 

調査対象期間の中で「休日がなかった」ドライバーが全体の9.8%

しかし、その中にはドライバー自らが休日を返上するよう会社に訴えた者も含まれるだろう。

 

今現在、自分自身はほぼほぼ週休二日で働いているが、平日がほぼ24時間労働なので

休日の時間が余計に少なく感じる。

とは言え、長距離トラックドライバーで週休二日制的な働き方をしている人はかなり少ない。

 

10数年長距離トラックドライバーをやって感じたことは、

長距離トラックドライバーの人は割と労働時間を気にしてないように感じるし

家に帰れない、トラックの中で寝る、自分の時間は実質ゼロが当たり前になってるように感じる。

 

この辺が自分の時間を大事にする現代の若者との違い故に、若者が入ってこない産業なのではないかと考える。

 

トラックドライバーの手待ち時間について

「手待ち時間がある運行」は全体の46%

手待ち時間の平均は1時間45分で、1時間超が55.1%、2時間超が28.7%、 3時間超が15.1%

 

この手待ち時間(荷待ち時間)については、どのような理由、状況においてもゼロにしてもらいたい。

これがトラックドライバー全員が本気で思っている事であり、事実だ。

 

平均1時間45分の手待ち時間と言う結果が出ているが、普通に考えて異常な事である。

例えば、毎日平均1時間45分の実質無給で残業をして下さいと言う企業があった場合

この企業は確実にブラック企業であると言えるし、誰もがそう思うだろう。

 

荷主はそれを関係他社である運送会社の、しかもトラックドライバーに向けて

あたかも当たり前の事のように、簡単に言い放つ。

もちろん、その平均1時間45分と言う時間は完全に無給であり、無駄に労働時間だけを増やす。

 

我々、トラックドライバーからすれば、不当に手待ち時間(荷待ち時間)を与えた荷主企業は

法律的に厳しい罰則を与えてもらいたいと、心の底から思っている。マジで。

今後、将来的にトラックドライバーの人員不足が深刻になった場合、

そのような古い体質の荷主企業は淘汰されていくとは思うけどね。

 

荷役の状況についての実態調査の結果とリアル

荷役作業の発生割合及び平均時間は、発荷主で40.8%・51分、着荷主で59.2%・42分

 

これは簡単な話で、手積み手降ろしでの荷役とパレットでの荷役が半々と言う事だろう。

手積みでの荷役時間が2時間程度、手降ろしでの荷役時間が2時間程度

パレットでの荷役が30分程度(積み降ろし)

10数年の経験上、こんな感覚だ。

 

自分自身は今現在、手積み手降ろしは一切していないし、する気もない。

理由は、体力的にもキツイ上に、無駄に数時間程度労働を増やすのが嫌だから(ワラウ

 

事業者に対する調査についての結果から感じたこと

ドライバーは全体の7割弱で不足しており、保有車両台数が多い事業者ほど不足感が強い

これは単純にドライバーの人口自体が増えていないという事だと思う。

つまり、保有台数が多くなればなるほど、当然ながら人員の確保も難しくなるというだけのこと。

 

あと、リアルな感覚だと

保有台数が少ない運送会社ほど、退職しにくい雰囲気はあるのではないのかと感じる。

知り合いや同僚などにもいたが、退職の意思を伝えたとしても、

「代わりの人員を連れてこい」「代わりが見つかったら」などと言われ

退職をすぐに認めてもらえないようなケースも割と多く耳にした。

 

大手の場合、入社するのが難しく、退社するのは簡単であり

逆に個人経営のような小さい運送会社の場合、入社するのは簡単だが、退社するのが難しい

と冗談のような話をした記憶がある。

まとめ

この実態調査を見ても、トラックドライバーという職業が将来的にどんどん厳しくなっていくのは

明らかであり、人員不足が既に深刻になりつつあり厳しい現実があるのも事実だ。

法規制も急激に強化されていて、労働環境は表面上良くなっていっているのかもしれないが

実際に労働環境が改善されている企業も多いとは思うが

その裏では、過酷な環境で労働しているトラックドライバーも未だに多い。

 

所得が下がるのが嫌なトラックドライバーはブラック企業的な運送会社で違法運行をし

過酷な労働をしている実態もあります。

 

免許制度の改定などもあり、若者が入ってきにくい産業であることは変わらないのが現状で

人員不足を解消する手段は今の所ないのではないでしょうか。

 

逆に将来的な不安を抱えているトラックドライバーは増えていくでしょうし

将来的にはトラックドライバーを辞めて

転職することを考えているトラックドライバーもいるでしょうし

自分自身もそのうちの一人です。

 

運送会社はもちろん荷主企業も今後大きく変わり

今現在、トラックドライバーとして就業している人自身ももっと変わっていかなければならないではないか思います。

そして今後、若者が入ってきやすい職業になり、将来的な不安もなくなるような職業になることを願います。

 

 

 

 

 

そんなオレのプロフィール▼

 

 

 

 

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